今が繁殖期ということもあり、ギボシムシ採集の記事が続きます。
今回の採集は、当センターで「下田産ギボシムシの分類学」というテーマで卒業研究をし
下田で見つけた新種のギボシムシをBalanoglossus simodensis(和名:シモダギボシムシ)として
論文にした宮本さんが採集に訪れました。
Miyamoto N. and Saito Y*. 2007. (PubMed)
Morphology and Development of a New Species of Balanoglossus (Hemichordata: Enteropneusta: Ptychoderidae) from Shimoda, Japan.
Zoological Science. 24: 1278-1285.
卒業研究をしていた当時は、生息しているところが特定できず、
採集方法もわからず苦労されたそうです。
砂の中で生息しているギボシムシの体は繊細でちぎれやすいため、
砂や泥ごとふるいにかけたら破片しか残らず…
文献を調べたり先生方や技術職員と相談し試行錯誤の末、この方法にたどりついたそうです。
筑波大学ニュース ギボシムシに見られる神経管形成の徴候~ヒトの脳の進化を探る糸口を発見~
昨年11月に発表された論文では、
筑波大生命環境系の和田洋教授と
同大学院生命科学研究科在学中の宮本教生さんの研究グループが、
多細胞動物が約7億年前に誕生し、脊椎動物に進化する過程で獲得した
中枢神経と脊索の起源をギボシムシから見いだしたそうです。
Miyamoto N* and Wada H. 2013 (Journal web site)
Hemichordate neurulation and the origin of the neural tube.
Nature Communications 4: 2713. doi:10.1038/ncomms3713
ギボシムシについて、もっと知りたい方はこちらのサイトを
Japanese Hemichordata Website